日本のバレンタインといえば、気になっている人やお世話になっている人、そして友達や頑張っている自分にチョコレートを贈る日というイメージがありますね。台湾では「西洋情人節」といって、恋人や夫婦がデートをしたり、プレゼントを贈りあう日になっています。
そこで今回は、日本と違う台湾のバレンタインの販促について、街中やECサイトなどでみた事例をご紹介していきます。
街中でみる台湾のバレンタイン商戦
バレンタイン当日は恋人や夫婦でデートをしたり、プレゼントを贈りあう台湾。そのためバレンタインが近づくと、デートができるような雰囲気のいいレストランでは2人用の「バレンタインスペシャルコース」を推しだしたり、デパートやスーパーではバレンタインギフトになるようなスイーツや小物を特集したりします。
レストランでは
レストランではバレンタインが近くなると、バレンタイン限定のセットメニューなどをお店の前に貼りだしたり、FacebookやInstagram、LINEのアカウントなどに投稿してお知らせします。バレンタインのデート先として定番なのは、ホテルのレストランや高層ビルなどの景色のいいレストラン、街中の雰囲気のいいレストランですが、それ以外のレストランもバレンタイン限定のピンクやハートを使ったメニューを用意することがあります。
デパートやスーパーでは
ISSYOスタッフがはじめにバレンタイン商戦調査に向かったのは台北市中心部、台北アリーナ(臺北小巨蛋)向かいにある「微風南京」です。実は今年はどのデパートもバレンタイン商戦を控えているのかあまりバレンタインの雰囲気が感じられず、あのゴディバですらハートのパッケージのチョコが売られているだけで、バレンタインの文字はありませんでした。理由は現在も調査中です。
続いて調査したのは、台湾最大手のスーパー「全聯福利中心」です。マスコットキャラクターの「福利熊」のデザインをはじめ、様々な販促物の製作を電通が手掛けています。全聯も例年はバレンタイン限定スイーツを出したりするのですが、今年はバレンタイン特集コーナーが一角に組んであるくらいでした。特集コーナーには、台湾ではチョコレートギフトとしておなじみの「フェレロ ロシェ」や、ディナーに飲む用のワイン、そして避妊具(一説によるとバレンタインの日は売り上げが2倍になるとか)が並べてありました。
一條龍服務!全聯推出「情人節專區」 老司機見架上商品秒懂408
ECモールでみる台湾のバレンタイン商戦
台湾で最もバレンタインを感じるのはShopeeやmomo、PinkoiなどといったECモールでしょう。特に台湾ではバレンタインギフトに贈るものが決まっていないので、クリスマス同様ありとあらゆるギフト類がバレンタイン特集に登場します。特集に登場する商品はいつもより安くなっていることが多いですが、日本のように特別な商品画像を作ったり、ギフトラッピングなどを推しているところは少ないので、差別化をするならここが狙い目です。
Shopeeでは
台湾最大のECモールShopee(蝦皮購物)のバレンタインはユーモアのセンスがピカイチ!トップページからバレンタイン特集のページに飛ぶと、「閃光情人節」と銘うってサングラスを推しています。台湾ではカップルがいちゃいちゃする光景を「閃」(まぶしい)と表現するのですが、バレンタインはいたるところでカップルがいちゃいちゃするのがまぶしいので相手のいない人はサングラスを買って自衛しよう!という趣旨です(笑)
また、縁結びにいいとされる「月光老人」を祀っている廟のお守りをネットで売るというのも台湾では新しい試みなので、今年のShopeeはバレンタインにかなり力を入れていたと思います。
momoでは
BtoC最大手の「momo購物網」もトップページのバナーでバレンタイン特集を組んでいます。特集の内容は各種抽選だったり、ギフト系が安くなっているほかは、家電や消耗品のセールの比率が高くなっているのが特徴。momoの利用者層は、ShopeeやPinkoiなどよりすこし高い、家庭を持っている年代の女性が中心のため、バレンタインギフト特集よりは、ただのセールのテーマとしての扱いになっているようです。
Pinkoiでは
台湾最大のハンドメイドECモール「Pinkoi」は、ギフト系でも若い女性の第一想起に位置づけられ、クリエイティブも若い女性向けのものが多いです。バレンタインの販促はギフト系商品特集と対象商品12%オフ、1000元以上購入で送料無料など内容としては王道の販促キャンペーンです。
PChomeでは
最後に台湾のECモールの先駆けである「PChome 24h購物」ですが、利用者層が男性中心のため、バレンタイン色はあまり強くなく、バレンタインデーとの旅行先特集と、スキンの特集が組まれている程度でした。
SNSでみる台湾のバレンタイン商戦
台湾で使われているSNSといえば、LINEとFacebookとInstagram。特にLINEは大企業はほぼアカウントを持っていて、販促を知らせるツールとして真っ先にあげられます。今回もバレンタイン系の販促はLINEから知ったものが多かったです。
LINEでは
バレンタインの近くになると、レストランのアカウントからはバレンタイン限定メニューの販促メッセージ、ギフト系サイトからはバレンタイン特集のお知らせ、そしてコンビニからはコーヒーの割引のメッセージが来ます。特にLINEギフトはギフトと名前に入れているだけあって、かなりの数のメッセージが来て1日1回はチェックしても見きれないほどだったので、LINEギフトにLINEメッセージの施策をお願いする場合は時期をすこし考える必要がありそうです。
LINEで販促メッセージを送る場合、開封者は基本的にすでにそのブランドに関心がある層なので(友達追加していて、ブロックしておらず、開封してくれる、などのステップを踏んでいるため)、内容はブランド自体の認知よりは新商品紹介や割引のお知らせ、クーポンなどにするとクリック率もあがりそうです。
Facebook、Instagramでは
Facebook、InstagramではECモールやコンビニなど小売店のアカウントのほか、ホテルやレストランなどのアカウントがバレンタインデートのための販促コンテンツを投稿しています。内容は上で紹介したようなものがほとんどですが、いいね!やシェア、コメント欄に友達のタグ付することで抽選したり、ライブ放送で割引商品を販売したりするなど、バレンタイン販促を認知させる施策の一環としては不可欠です。
まとめ
それぞれの分野ごとに台湾のバレンタイン商戦をざっくり紹介させていただきましたが、雰囲気が何となく伝わったでしょうか。台湾でバレンタインの販促を企画する際の参考になれば幸いです。
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