2月の日本といえば、節分やバレンタインのイメージが強いですが、台湾は旧正月シーズンで町中が真っ赤な正月飾りで華やかになっています。バレンタインも近年は、新たな販促テーマとして注目されてきていますが、その方向性は日本とはやや異なります。
今回はそんな台湾の2月の販促テーマに使えるイベントと、どんなものが売れて、どんな販促アイディアがあるのか、詳しく紹介していきます。
2月の台湾のイベントはなにがある?
2月の台湾といえば旧正月シーズン!今年は例年より早く、1月21日には旧正月に入ってしまいましたが、2月いっぱいごろまでは旧正月の雰囲気が残ります。さらに旧正月から数えて15日目は元宵節というイベントで、お休みにはならないため旧正月ほど重要度は高くないですが、ランタンをあげたり湯圓という料理を食べるのが習慣になっています。また、バレンタインは台湾では「西洋情人節」と呼ばれ、カップルで過ごす大事なイベントのひとつとなっています。
ここからは各イベントについて詳しく紹介していきます。
1.旧正月
旧正月は、台湾では「過年」や「春節」とも呼ばれ、1年で最も重要なイベントシーズンです。
旧暦の1月1日が旧正月になるため、毎年日付がやや異なり、毎年1月下旬から2月上旬に来ることが多いです。また、旧暦の1月1日の前日を「除夕」、さらにその前日を「小年夜」と呼び、このあとでも紹介する旧暦の1月15日が「元宵節」という旧正月最後のイベントになります。一般的な旧正月休みは、この小年夜から旧暦の1月5日になり、旧正月の6日目を「初六開工日」と呼んで、販促テーマにすることもよくあります。
旧正月をテーマにした販促イベントは早ければクリスマス以後、通常年明けすぐに始まり、2月いっぱい続くことが多いです。ただし、2023年の旧正月は、例年よりすこし早い1月21日だったため、今年の旧正月関連の販促イベントはすこし短くなってしまいました。
旧正月にはなにが売れる?
旧正月に最もよく売れるのはギフトボックス!帰省する際に家族・親戚への手土産にするほか、「拝年」といって旧正月期間中に目上の親戚・友人・知人を訪問する際になにか贈り物をもっていくことが多いためです。また、旧正月休みに入る前に、営業活動として取引先やお世話になっている上司などに贈ったり、会社から社員に「春節禮盒」として贈ることもあります。ギフトボックスの中身はさまざまですが、迷惑にならない消えものが無難なのは日本と同じで、ちょっといい食材や調味料だったり、栄養食品などが多いです。
そのほかに、旧正月のごちそうに使う食材や、家族団欒の際に食べるおやつ、新しい年に新しいものをということで服を買ったり、家電を買い替えることもあります。
旧正月の販促アイディア
旧正月はギフトボックスが最もよく売れるため、ギフトボックスを中心に割引を行うところが多いです。割引以外にも、ブランドオリジナルの「紅包袋」(お年玉袋)を印刷しておまけとしてつけたり、箱や紙袋を旧正月仕様にして贈り物としての見栄えをあげる方法があります。
干支にちなんだパッケージの商品も人気で、スターバックスの干支商品は毎年必ず買うというファンもいますし、干支のパッケージのクッキー缶は自分用にもギフト用にも需要があります。
また、新年の挨拶に使うLINEスタンプも需要が高く、かなり費用はかかりますが旧正月の挨拶を含めたLINEスタンプを無料配布することでフォロワーを一挙獲得することもできるでしょう。
2.元宵節
元宵節は旧暦の1月15日にある節句で、旧暦の新年の最初の満月の日にあたることから、中華圏では各地方ごとに様々な習慣があります。
台湾で特に代表的なのは、「燈會(ランタンフェスティバル)」というイベントで、その年の干支の大きなランタンを作って展示したり、ディズニー映画のラプンツェルのようにランタンを数百人で一斉に空にあげたりします。
また、元宵というお団子のような食べ物を食べる習慣もありますが、近年では「湯圓」という、より手に入りやすいお団子に取って代わられています。
元宵節にはなにが売れる?
台湾では観光局主催で「燈會(ランタンフェスティバル)」が各県持ち回りで行われています。2023年は台北で、メイン会場となる国父紀念館を含め4つのエリアに分かれて展示されています。これに伴い、台湾最大のECハンドメイドマーケットのPinkoiでは、光るウサギの耳の形のカチューシャを販売しています。会場周辺の商店では関連商品を販売したり、観光客向けの商品をメインに押し出して販売することもあります。
また、元宵というお団子を食べる習慣があることから、湯圓をはじめとしたお団子系の食品が良く売れます。特に桂冠という冷凍食品の大手がだすコラボ湯圓は、元宵節や冬至などのイベントが近づくと売り切れる傾向にあります。ちなみに今年のコラボテーマはユニクロの「ヒートテック」で、ピーナッツ味とゴマ味の湯圓のパッケージがヒートテック仕様になっています。
元宵節の販促アイディア
元宵節は旧正月の最終日あたるため、元宵節+旧正月の販促キャンペーン最終日という文言を広告に入れることがあります。そのほかに上であげたようなお団子系の食品やランタンフェスティバル会場付近の店舗であれば、元宵節関連の販促イベントが作りやすいです。また、満月にちなんで皆でテーブルをまるく囲んで食事をしよう(=團圓飯)というテーマで、ご馳走に使う食品や食事会に使えるようなレストランが特別なセットをだすこともあります。
3.情人節
バレンタインは台湾では、七夕の情人節に対して「西洋情人節」と呼ばれ、欧米のように主に恋人同士が食事などをしてデートをする日になっています。デートをする際や、デートの代わりにプレゼントを贈ることもあり、クリスマスのように互いに贈りあうこともあれば、男性が女性に花を用意することもあります。
情人節にはなにが売れる?
情人節は恋人同士がデートをする日、そのため雰囲気のいいレストランは早い時期に満席になってしまいます。また、男性が女性に贈る花やアクセサリー、女性が男性に贈るちょっとした電子機器や革製品なども通常より集中して売れます。日本の影響でチョコレートも手軽なギフトとして人気ですが、日本のようにチョコレート一色という訳ではなく、また義理チョコなどの習慣もないため、クリスマスのように恋人同士がお互いの好きそうなものをプレゼントします。
情人節の販促アイディア
メディアで情人節特集としてよく組まれるのは「情人節デートにおすすめのレストラン」や、「情人節プレゼントにおすすめのギフト」などです。そのため、飲食店ではカップル向けの特別コース、ホテルではカップル向けの宿泊プランを組むのがおすすめです。ギフト系の場合は、「情人節プレゼントにおすすめ」や、「彼氏/彼女へのプレゼントにおすすめ」、「ラッピング承ります」などの文言を入れると検索にヒットしやすくなります。チョコレートの場合は、すでにラッピングしてあるのを店頭に積んでおくと、手軽なギフトとして買っていく人が多くなります。
そのほか:「補班日」
2023年の2月は「補班日」と呼ばれる、土曜日出勤・登校する日が2日あります。
台湾の法律では、祝日が木曜日または火曜日などに当たると、土日とつなげて連休にするためにあいだの金曜日または月曜日を休みにします。その代わりに、前後の土曜日が「補班日」と呼ばれる、土曜日出勤・登校する日になるため、その週は週六出勤・登校となり、人によっては非常に憂鬱な週となります(笑)それを逆手に取った販促アイディアとして、各コンビニなどがコーヒーの「補班日応援割引」を行ったりします。
2023年の「補班日」は4月の清明節、6月の端午節、10月の国慶節のあと3回あるため、仕事に使うような商材は割引イベントと広告に使う文言やバナーを用意しておくといいでしょう。
まとめ
台湾の2月の販促テーマに使えるイベントは旧正月、元宵節、情人節の3つがあるほか、2023年は補班日があります。どの販促テーマにもいえることですが、販促テーマにあわせて施策を考えたり、パッケージやギフトを用意するのはとても時間がかかるため、早めの企画・準備がおすすめです。
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